系統別学問内容リサーチ
総合学際系統
総合・学際系統は、学問研究の大きな枠組みを見直し、人文科学・社会科学・自然科学の手法を融合した《学際的》な視点で、現代社会のさまざまな課題にチャレンジする学問領域です。
この系統の学問分野
教育・研修のめざすもの
特定の専門に囚われず、「全体を見る」姿勢や目を養う
総合・学際系統は、複雑に分岐した現在の学問の境界(学際)領域を、人文・社会・自然科学の枠組みを越えた総合的な視点で研究する、新しいアプローチの学問の総称です。
きわめて複雑化した現代社会では分業が進み、私たちは、職場や家庭における歯車的な存在として、世の中のごく一部の人を相手にして生活しているに過ぎません。
また、世界から届くニュースや製品広告など、毎日膨大な情報を受け取りながら、それを判断する基準をもてない、言い換えれば自分の中に“基本軸”を育てられないのが実情です。
そこで、総合・学際系統では「全体を見る」という姿勢で広範なジャンルを横断的に学ぶことで、柔軟な思考力や、自分で問題を発見し解決する能力を養い、「人間としての総合力」を身につけることをめざします。
この系統の特徴を最もよく表すのが「教養学」で、そのほかに「国際関係」「人間科学」といった、人類の大きな課題に取り組むジャンルもあります。
将来の進路・職業
「偏らず、客観的、深い洞察力」をもつ人材として注目が集まる
総合・学際系統の研究から培われる人間の資質には、まず「専門にこだわらない柔軟性」があります。また、社会で出会うさまざまな困難を克服していくときに必要な「問題の本質を見抜く洞察力」「まず自分から動く積極性」も養われます。
学問対象の範囲が広いので、将来の進路はさまざまですが、これら「人間としての総合力」は、さまざまな職場で発揮することができます。
たとえば教養学では、物事を客観的かつ全体的な視点でみることが大切な企業人、地域社会で町づくりや福祉、地域交流などの職務を担う公務員といった職種が考えられます。また、人間科学では「人間」への深い理解と洞察力を活かして、人に愛情をもって接する教育や福祉関連の職業、国際関係学では、語学力と対話能力、国際感覚を発揮できる国際企業のビジネスマン、国際協力など海外での活躍が期待されます。